私は長年、医療の現場に立ち続けてきました。
30代前半→まだまだ。
30代後半→なんか身体重いなあ
40歳→息切れがする
41歳→もう無理…
という具合に気づいたら心身ともに悲鳴をあげていまいした。

40歳前後からの疲労感は著明でしたね。体力ないだけかも(笑)
「このまま60代まで働き続けたら、自分には何が残るのだろう。そもそも無理じゃないか?」
そんな問いがふと頭をよぎりました。
この記事では40代でキャリアに悩む心理背景と、その突破口となる考え方や行動について解説していきます。
キャリアに正解はないと思います。
でも、「行動する意味」は確実にある——そう信じています。
医療職として19年を過ごし、キャリアチェンジに踏み出した筆者の経験も交えながら進めてまいります。
読み終えるころには、何かしら一歩踏み出す自信が芽生えていれば嬉しいです。
40代でキャリアに悩むのは自然なこと
キャリアの悩みが急に表れるのは、ごく自然な流れです。
なぜ今なのか?
心理学では「中年の危機(Midlife Crisis)」という現象が知られています。
人生の折り返し地点に差しかかることで、「このままで良いのか」という深い内省が始まる時期なのです。
40代に入り、誰しも人生を見つめ直すタイミングが訪れます。
心理学者エリクソンは、この時期を「生産性と停滞の対立」と位置づけました。
つまり「今まで通り頑張り続ける」か、「新しい道を模索する」かという葛藤が起こりやすいのです。
特に医療職は「消費型の働き方」と感じます。
日々の労働力(体力・時間)を直接提供し続けることで成り立っています。
日々のケアは患者さんの役に立ちますが、成果物がストックされるわけではありません。
時間と体力を削り続ける働き方が、40代になると重くのしかかってくるのは当然のことです。
今の時代は人生100年時代とも言われています。
60代まで走り続けた先、今後どう自分の人生を設計するのか」を考える人が増えました。
第2章のキャリアをどう描くかは、今こそ考えておきたいテーマです。



人は色々考えて大変そうだなあ
医療職特有のキャリアの壁
体力的な限界・将来の不安
夜勤や身体を酷使する業務が続く中、「この先も今のペースで働けるだろうか」という不安がよぎります。
40代になると疲労の回復力が落ちてくるのを実感する人も多いのではないでしょうか。
長年同じ環境にいることで視野が狭まる
医療現場は専門性が高い反面、閉鎖的な空間でもあります。
そのため「今の職場がすべて」と感じやすく、他の選択肢が見えにくくなるのです。
「看護の現場に縛られている」という感覚
「辞めたらキャリアがゼロになるのでは」という思い込みはありませんか。
これは多くの医療職に共通する心理的ブロックです。
けれど実際は、医療職で培った経験は他分野でも活かせる場面がたくさんあります。



実際はどう活かせばいいのかがわからない人が多い。看護知識だけでなく、こういう研修もあればよかったと思う。
“なぜ悩むのか”を理解する:キャリア理論から読み解く
キャリア理論を知ることで、悩みが「自分だけの問題ではない」と理解でき、安心感が生まれます。
スーパーのライフスパン理論
キャリアには「成長 → 探索 → 確立 → 維持 → 下降」というライフサイクルがあります。
40代は「維持期」に位置付けられますが、近年は再び探索に入る人が増えているのが現実です。
変化の激しい時代、「維持」よりも「変化への柔軟性」が求められるようになっています。
シャインのキャリア・アンカー
キャリア・アンカーとは、自分の中にある「譲れない価値観」のこと。
医療職に多いアンカーには
- 専門性志向
- 安定志向
- 奉仕志向
などがあります。
現状と価値観のズレが大きくなると、モヤモヤや悩みにつながりやすいのです。



わんこにも譲れないものがある。それは毎日の散歩とサクサクしたおやつである。
「喪失感」と「自己実現欲求」のはざまで
40代は「若さ」や「新しい可能性」に対する喪失感が生まれやすい時期でもあります。
一方で、「もっと自分らしく生きたい」という自己実現欲求も強くなります。
このはざまで揺れるのが、今の悩みの正体でもあります。
40代からのキャリア形成:まず取り組むべき3つのこと
① 自己理解を深める
まずは自分が大切にしたい価値観や活かせる強みを整理することから始めましょう。
これがキャリアの軸になります。
コーチングやワークシートを活用すると、思考が整理しやすくなります。
【チェックリスト例】
質問 | YES / NO |
---|---|
今、何をしていると楽しいと感じるか? | |
これからの人生で手に入れたいものは何か? | |
看護職の中で何が得意だったか? |
② 情報収集と視野を広げる
医療業界以外にも視野を広げることで、新しい可能性や選択肢が見えてきます。
異業種の勉強会やオンラインコミュニティに参加するのも効果的です。



地方在住者だと視野が狭くなりがちだと感じます。都市部はうらやましい
③ 小さな行動を積み重ねる
いきなり転職活動を始める必要はありません。
- 副業に挑戦する
- 資格取得に向けて学び始める
- キャリアカウンセリングを受けてみる
「スモールステップ」を重ねることで、大きな変化につながっていきます。
キャリアチェンジという選択肢
異業種転職の現実と可能性
40代の転職市場は確かに簡単ではありません。
しかし医療職で培った経験は、他分野でも活かせる場が意外に多いのです。
● 医療職経験を活かせるフィールド例
フィールド | 活かせるスキル |
---|---|
医療IT企業 | 医療現場の知識・現場感覚 |
教育・研修 | 指導経験・コミュニケーション力 |
健康産業 | 健康管理・ヘルスケア知識 |
これらの分野は、医療現場で培った対人スキルや専門知識が大いに役立つフィールドといえます。
「無理に大ジャンプしなくていい」考え方
キャリアチェンジは段階的な移行で十分です。
現職を活かした副業やパラレルキャリアから始めるのも現実的な選択肢です。



一気に飛び越えようとすると、けがの元だよ。
キャリアアップ/現職を活かす道もある
キャリアチェンジがすべてではありません。
現職を活かしながら、新たなステージを築いていく道も十分にあります。
専門スキルの深化
医療職としてのキャリアを活かす道ももちろんあります。
たとえば認定看護師や専門看護師など、専門分野を深めていく選択肢。
高度なスキルを磨くことで、現場内での役割や働き方にも変化が出てきます。
教育・管理職への転身
教育係や管理職という道もあります。
自分の知識や経験を次世代に伝えていく立場は、また違ったやりがいが生まれます。
副業・パラレルキャリアの可能性
最近は副業解禁の流れも進んでいます。
- 看護職+ライター
- 看護職+コーチング・カウンセリング業
- 看護職+オンライン講座主宰
こうしたパラレルキャリアを築くことで、将来的なキャリアの選択肢が広がっていきます。
行き詰まり・迷子状態を脱するには?
「悩む自分を責めない」ことから始めましょう
キャリアの悩みはとても自然なものです。
まずは「悩んでいる自分」を責めないことが大切です。
自己否定のループに入ってしまうと、行動が止まってしまいます。
まずは自分を肯定するところから始めてみましょう。
むしろ、より良い未来を求めている証拠といえるでしょう。



思考の癖ってありますよね。私もネガティブ人間です。意識してよい方に、または、中立に考えるようにしています。
コーチングやカウンセリングの活用
一人で抱え込みすぎないのも重要なポイントです。
コーチングやカウンセリングを活用することで
- 自己理解が深まる
- 行動計画が明確になる
- 伴走してもらえる
といった効果が期待できます。
自分一人では見えなかった選択肢が、対話を通じて見えてくることがあります。
一歩踏み出す「自分への許可」を出す
何よりも大事なのは、「動いていい」と自分に許可を出すことです。
完璧な準備は必要ありません。
小さな一歩を踏み出すことで、必ず景色は変わります。
筆者の体験談:40代キャリアの不安に向き合った記録
看護師19年、キャリアチェンジのきっかけ
私は看護師として19年間現場に立ってきました。
けれど40代に入った頃、激務や体力の限界を感じ始めました。
「このまま60代まで働けるのか」
「退職後に何が残るのだろうか」
そんな不安が押し寄せてきたのです。



傍で見ていたけど、大変そうだったよね
不安・葛藤・実際の行動
最初は不安と葛藤でいっぱいでした。
けれど、「今のまま何もしない方がもっと怖い」と思い、まずはWeb系のスキルの勉強から始めました。
次にコーチングというものを知り、コーチングを学び始めました。
学びの中で医療職の経験も強みになる場面がたくさんあることに気づき、世界が少し広がりました。
キャリア理論との出会いがもたらした変化
キャリア理論を学んだことで
- なぜ自分が悩んでいたのか
- 何から始めればいいのか
が整理できました。
「まず行動してみる」ことの大切さに気づき、少しずつ進めるようになりました。
まとめ:40代はキャリアの「再構築」ができる時期
「今動ける自分」を肯定する
いま「変わりたい」と思っている時点で、すでに大きな一歩を踏み出しています。
変化に向き合う自分を、ぜひ肯定してあげてください。
完璧な答えを求めず、一歩を大切に
未来のすべてを見通せる人はいません。
完璧な答えを求めすぎず、小さな一歩から始める。
それが結果的に大きな変化につながっていきます。
行動することでしか未来は変わらない
考えているだけでは現状は変わりません。
「行動することでしか未来は変わらない」。
その意識を持つことで、次のステージが開けていきます。